薬で痩せた後に筋肉を守る食事と運動|ジム経営者が自分の体で試して分かったこと
GLP-1などのメディカルダイエットで体重を落とした人が、ジムの体験カウンセリングに来る理由はほぼ一つです。「体重は落ちたのに、見た目が思っていたのと違う」。
私自身、薬を使って体重を落とした経験があります(その経緯は別の記事に書きました)。そのとき一番困ったのが、落ちたのは脂肪だけではなかったことです。鏡を見ると、二の腕とお腹の皮膚がたるんで、顔がやつれて見えた。体重計の数字は目標に届いていたのに、です。
この記事は、薬で痩せた後に筋肉を守るための食事と運動の組み方を、実際にやって効いたものだけに絞って書きます。薬そのものを勧める記事ではありません。使うかどうかは医師と相談してください。
結論:食事量が減った分、タンパク質の「密度」を上げる
薬で食欲が落ちると、食事量そのものが減ります。これが痩せる仕組みなので当然なのですが、問題は減った食事の中でタンパク質も一緒に減ることです。
筋肉は毎日分解と合成を繰り返していて、材料(タンパク質)が足りないと分解が勝ちます。食事量が半分になって、タンパク質も半分になれば、筋肉は落ちる。体重は減るけど、減った中身の2〜3割が筋肉、という状態です。
やることは単純で、食べられる量が減った分、1食あたりのタンパク質の割合を上げる。これだけです。
食事:現場で勧めている3つの組み方
1. 1食の最初に主菜を食べる 食欲が落ちている人は、途中でお腹がいっぱいになって食べ切れません。だから、順番を変えます。ご飯や汁物より先に、肉・魚・卵を食べる。満腹で残すなら、残すのは主食の方にする。これだけでタンパク質の摂取量が変わります。
2. 1日の目標は体重×1.2〜1.5g。届かない分はプロテインで埋める 体重60kgなら72〜90g。食欲が落ちている時期にこれを食事だけで取るのは、正直かなり難しいです。無理に食べて気持ち悪くなるより、1〜2杯のプロテインで埋めた方が確実です。選び方は別の記事に書いていますが、薬を使っている時期は胃に残りにくいホエイの「アイソレート」タイプが合う人が多いです。
3. 「食べられる日」に食べ溜めしない 薬の効き方には波があります。食欲が戻った日に反動で食べ過ぎて、翌日また食べられない。この波が大きいほど、筋肉は落ちやすい。食べられる日も、主菜を増やす方向で量を足してください。甘いものや揚げ物で足すと、脂肪だけ戻ります。
運動:週2回の筋トレで足りる。有酸素運動は後回し
薬で痩せている最中は、エネルギーが足りない状態です。ここで長時間の有酸素運動をすると、体は脂肪より先に筋肉を分解してエネルギーにします。「痩せるために走る」が、この時期は逆効果になります。
やるべきなのは筋トレで、それも週2回で十分です。現場でやっている中身はこれだけです。
| 種目 | 狙う場所 | 回数の目安 |
|---|---|---|
| スクワット | 太もも・お尻 | 10回×3セット |
| ランジ | お尻・太もも裏 | 左右10回×3セット |
| ダンベルプレスまたは腕立て | 胸・二の腕 | 10回×3セット |
| ローイング(ダンベルで引く) | 背中 | 10回×3セット |
| プランク | お腹 | 30秒×3セット |
ポイントは「10回で限界が来る重さ」でやることです。軽い重さで30回やっても、筋肉に「残す理由」が伝わりません。筋肉は、使われている限り体が守ろうとします。重さをかけることが、体に「この筋肉は必要だ」と伝える唯一の方法です。
有酸素運動は、体重が目標に届いて食事量が戻ってから。順番を逆にしないでください。
自分の体でやって、効いた順番
私の場合、薬で落とした後にやったことを順番に書くとこうです。
- まずプロテインを1日2杯に固定した(食事でのタンパク質が足りていないことを認めた)
- 筋トレを週2回、上の5種目だけにした(やることを減らしたら続いた)
- 走るのをやめた(走っていた時期は体重が落ちても見た目が変わらなかった)
- 3か月後、体重はほぼ同じで、ウエストが4cm減って、二の腕のたるみが目立たなくなった
体重が変わらなくて焦った時期もありますが、脂肪が減って筋肉が戻れば、体重は動きません。見た目で判断してください。
薬をやめた後にリバウンドしないために
筋肉が戻ると、基礎代謝が戻ります。これがリバウンド防止の土台です。薬で食欲を抑えている間に筋肉を落としてしまうと、薬をやめて食欲が戻ったときに、燃費の悪い体で元の量を食べることになる。リバウンドする人のパターンは、ほぼこれです。
逆に、薬を使っている間に筋肉を守れた人は、やめた後も体重が戻りにくい。薬の期間は「痩せる期間」ではなく「痩せた体を維持できる体に作り替える期間」だと考えてください。
まとめ
- 薬で痩せると食事量が減り、タンパク質も一緒に減る。筋肉が落ちるのはこれが原因
- 1食の最初に主菜。届かない分はプロテインで埋める。目標は体重×1.2〜1.5g
- 運動は週2回の筋トレだけでいい。この時期の有酸素運動は筋肉を削る
- 体重ではなく見た目で判断する。ウエストと写真を記録する
- 薬の期間は「維持できる体に作り替える期間」。ここで筋肉を守れるかでリバウンドが決まる
薬で痩せたことを後ろめたく思う必要はありません。ただ、薬が落とすのは体重で、見た目を作るのは食事と筋トレです。そこだけは、自分でやるしかありません。
薬で痩せた後の体づくりを相談したい方へ
NEXUSの無料カウンセリングでは、今の食事量と体重の推移を聞いたうえで、筋肉を守るための食事と週2回のトレーニング内容をその場で組みます。薬を使っていることを隠す必要はありません。
※無理な勧誘は一切ありません。